まずは外れ方を観察する
球が入らないとき、「狙いが悪かった」とひとまとめにしてしまいがちです。でも、実際の原因はいくつかに分かれていて、直し方もそれぞれ違います。
原因を見分ける手がかりになるのが、外れ方です。何球か撞いてみて、次のどれに近いかを確かめてみてください。
| 外れ方 | 考えられる原因 |
|---|---|
| いつも同じ側に外れる(例: 薄く当てる球だけ外れる) | 1. 当てる場所の勘違い |
| 外れる側が毎回ばらばら | 2. 撞く瞬間に体が動く/3. キューがまっすぐ出ていない |
| ポケットの入口まで行くのに、ふちで跳ね返る | 4. 強く撞きすぎ |
| 手玉が狙いより少し横にずれて当たる | 5. 意図しない横回転 |
以下、原因ごとに直し方を見ていきます。
原因と直し方
1. 当てる場所を勘違いしている
斜めの角度で的玉を落とすとき、初心者に最も多いのがこの原因です。
的玉をポケットに向かわせるには、手玉を的玉の「ポケットと反対側の一点」に当てる必要があります。ところが、手玉は半径のある玉なので、その一点そのものを狙うと、手玉は当てたい点より手前で的玉に触れてしまいます。結果として、思ったより厚く(深く)当たり、的玉はポケットより外側へ転がります。
狙うべきなのは、当てたい点ではなく、「手玉が的玉に触れる瞬間に、手玉の中心がある位置」です。的玉のすぐ後ろにもう1つ玉が並んでいるところを想像し、その想像の玉の真ん中に手玉を送るイメージで狙います。
この狙い方は厚み(手玉が的玉に重なる量)の考え方と深く関わっています。くわしくは「狙い方の基本:厚みとは」と「球の見え方と厚みの練習」で説明しています。
2. 撞く瞬間に体が動いている
狙いは合っているのに、撞く瞬間に頭や肩が動くと、キューの向きが変わって外れます。特に多いのが、結果を早く見ようとして顔を上げてしまうことです。
自分で確かめるには、撞いた後、的玉がポケットに入るまで構えたままでいることを試してみてください。これができないときは、撞く前から体に力が入っていることが多いです。外れる側が毎回ばらつくときは、まずこれを疑いましょう。フォームの崩れ方と直し方は「よくあるフォームの崩れと直し方」にまとめています。
3. キューがまっすぐ出ていない
構えの段階でキューが狙いの線からずれていたり、撞くときにひじや手首が横に動いたりすると、手玉は狙った方向へ転がりません。
確かめ方は簡単で、的玉を置かずに手玉だけを撞き、短いクッションに向かってまっすぐ往復させます。手玉が同じ線の上を戻ってこなければ、ストロークに原因があります。この場合は狙い方より先に、構えとストロークを見直すほうが近道です。「ストロークをまっすぐ出すコツ」と「まっすぐ撞く練習(ストローク練習)」を参考にしてください。
4. 強く撞きすぎている
的玉がポケットの入口まで届いているのに、ふちに当たって跳ね返ってしまう。この外れ方は、力が強すぎることが多いです。
的玉はゆっくり転がるほど、ポケットのふちに触れても中へ落ちやすくなります。速く転がる玉は、少しでも入口の真ん中からずれると、ふちで弾かれてしまいます。つまり、強く撞くほどポケットは実質的に狭くなると考えてください。
強く撞くと体やキューもぶれやすくなるので、2・3の原因も重なります。入れることが目的の場面では、的玉がポケットに届いて少し余るくらいの強さで十分です。力加減の調整は「力加減(スピード)の調整」で紹介しています。
ポイント
迷ったら「少し弱め」を選びましょう。弱すぎて届かなかった球は力加減を足せば済みますが、強すぎて外れた球は、何が原因だったのか分かりにくくなります。
5. 無意識に左右を撞いている
手玉の中心を撞いたつもりでも、実際には少し左や右を撞いていることがあります。中心から左右に外れると、手玉に横回転がかかり、撞いた瞬間に手玉が撞いた側と反対の方向へ(右を撞くと手玉は少し左へ)わずかにずれて進みます。これをスクワート(日本では「トビ」)と言います。さらに、的玉に当たったときに、的玉の進む方向が少し変わることもあります。
撞いた後、手玉に付いたチョークの跡を見ると、どこを撞いたかが分かります。跡が中心から横にずれていれば、この原因です。ブリッジ(キューを支える手の形)の位置とキューの線が手玉の中心に合っているか、構えたときに確かめましょう。撞点の基本は「撞点(どこを撞くか)の基本」、横回転の影響は「ひねり(イングリッシュ)の基本」で説明しています。
直すときは一つずつ
5つの原因は重なって起こることが多いので、全部を一度に直そうとすると混乱します。おすすめは、手玉と的玉をポケットの近くに置いて、まっすぐの球から確実に入れることです。まっすぐの球が入るなら、ストロークや体の動きは大きく崩れていません。そこから少しずつ角度と距離をつけていくと、どこで外れ始めるかが分かり、原因を絞り込めます。練習の手順は「穴前の球を確実に入れる練習」で紹介しています。