ストロークとは

キューを後ろに引いてから前に送り出し、手玉を撞くまでの一連の動きをストロークと言います。

構え(スタンス)・ブリッジ・グリップは、止まった状態の「形」です。ストロークは、その形を保ったままキューを「動かす」部分にあたります。形がきれいでも、動かす途中で体のどこかがずれると、キューの先は狙った線から外れてしまいます。

このページでは、形の作り方ではなく、動かし方に絞って説明します。構えの形は「正しい構え方(スタンス)」、握り方は「グリップの握り方と力加減」を先に読んでおくと分かりやすくなります。

基本は「ひじを支点にした振り子」

まっすぐ撞くための一番の考え方は、ひじを支点にして、ひじから先(前腕)だけを振り子のように動かすことです。

動く部分が少ないほど、ずれが生まれる場所も少なくなります。肩や上体が一緒に動くと、キューを引くたびに通り道が変わり、毎回違う線の上を撞くことになります。

ひじの位置は、横から見てキューの真上あたりにあるのが目安です。ひじが体の外側に張り出したり、内側に入り込んだりしていると、前腕が斜めに振られ、キューも斜めに出ていきます。

ポイント

上級者の中には、強く撞くときに撞いた後でひじが少し下がる人もいます。これは撞き終わった後の自然な動きで、撞く瞬間までは振り子の形が保たれています。初心者のうちは、撞く瞬間までひじを動かさないことを優先しましょう。

ストロークの5つの流れ

ストロークは一瞬の動きに見えますが、分けると次の5つの段階があります。毎回この順番で撞くと、動きが安定してきます。

段階 動き 意識すること
1 素振り(予備動作) キューを小さく数回前後させ、狙う線とリズムを確かめる
2 引き(バックスイング) ゆっくり後ろへ引く。速く引くと線がぶれる
3 一瞬の間 引き終わりで、ほんの一瞬だけ止める
4 撞き出し なめらかに加速させながら前へ送る
5 撞いた後の静止 キューを前に出したまま、しばらく構えを崩さない

1. 素振り

構えたら、キューの先を手玉の近くで小さく前後させます。この動きで、キューが狙う線の上を通っているかを確かめます。回数は人によって違いますが、毎回同じ回数にしておくと、リズムが整いやすくなります。

2. 引き

撞く強さに合わせた幅だけ、キューを後ろへ引きます。ここで急ぐと、キューの後ろが左右に振れやすくなります。引く幅と強さの関係は「力加減(スピード)の調整」で説明しています。

3. 一瞬の間

引き終わったところで、ほんのわずかに動きを止めます。引く動きから前に出す動きへ切り替えるときにキューが揺れるのを防ぐためです。長く止める必要はなく、「引いて、間、出す」というリズムを作るつもりで十分です。

4. 撞き出し

止まった位置から、キューを前へ送り出します。いきなり強く押し出すのではなく、手玉に当たるところで一番速くなるように、なめらかに加速させます。手玉に当たったところでキューを止めず、そのまま前へ送り続けます(フォロースルー)。

5. 撞いた後の静止

撞き終わったら、キューを前に出したままの姿勢で1〜2秒ほど止まります。ここで初めて、ストロークがまっすぐだったかを確かめられます。

まっすぐ出ているかを確かめる

撞いた後に止まったら、次の点を見てみましょう。

キューの先が毎回同じ方向にずれる場合は、ひじや手首の向きに癖があることが多いです。原因ごとの直し方は「よくあるフォームの崩れと直し方」にまとめています。

注意

「早く結果が見たい」という気持ちから、撞いた瞬間に体を起こしてしまう人はとても多いです。体を起こす動きは撞く瞬間に始まっていることが多く、キューの向きが変わる原因になります。手玉がどこへ行ったかは、静止を終えてから見ても間に合います。

ストロークを身につけるには

ストロークは、意識しなくても同じ動きができるところまで繰り返して身につけるものです。最初は手玉を撞かずに、素振りだけで5つの流れを確かめるところから始めてみてください。慣れてきたら、手玉だけを撞いて、まっすぐ転がるかを確かめます。具体的な練習の進め方は「まっすぐ撞く練習(ストローク練習)」で紹介しています。

よくある質問

素振りは何回すればよいですか?

決まった回数はありません。2〜3回の人もいれば、もっと多く振る人もいます。大切なのは回数より、毎回同じにすることです。自分のリズムが決まると、緊張する場面でも同じ動きを再現しやすくなります。

弱く撞くときも、撞いた後に止まる必要がありますか?

あります。弱く撞くときほど、キューを途中で止めたり、手首だけで撞いたりしがちです。振る幅は小さくても、5つの流れは同じように行いましょう。