ミスキューとは、何が起きているのか
ミスキューは、キューの先端のタップ(手玉に当たる革の部分)が、手玉をとらえきれずに表面を滑ってしまう失敗です。乾いた「カツッ」という音がして、手玉は狙いと違う方向へ転がり、ときには跳ねることもあります。
タップと手玉が接している時間はほんの一瞬です。その間に滑らずに力を伝えられるかどうかは、主に次の3つで決まります。
- タップと手玉の間に、滑り止め(チョーク)が効いているか
- タップが手玉の中心からどれだけ外れたところに当たったか
- タップ自体が手玉をとらえられる状態か
チョークの役割と付け方は「チョークの役割と正しい付け方」でくわしく紹介しています。ここでは、チョークを付けているのにミスキューが減らないときに見直したいことを中心に説明します。
チョーク以外の3つの原因
原因1: 撞点が端に寄りすぎている
手玉の中心から外れたところを撞くほど、タップは手玉の丸い面に斜めに当たり、滑りやすくなります。撞いてよい範囲の目安は、中心から半径のおよそ半分までです(「撞点(どこを撞くか)の基本」参照)。
初心者に多いのは、自分では半分のつもりでも、実際にはもっと端を撞いているケースです。引き球や押し球で強い回転をかけようとして、つい撞点を端に寄せてしまいます。回転が足りないと感じたときは、撞点をそれ以上外すのではなく、キューをまっすぐ撞き抜くことを優先しましょう。
原因2: 撞く瞬間にキューの先が上下に動く
構えたときの撞点は正しくても、撞く瞬間にキューの先が上や下へずれると、結果として端を撞いたことになります。よくあるのは次のような動きです。
- しゃくる: 撞く瞬間に手首を返したり、グリップを強く握り込んだりして、キューの先が上へはね上がる
- キューの後ろが下がる・上がる: 腕全体で押し出そうとして、ひじが下がったり、肩が動いたりする
- 撞く直前に撞点を変える: 構えた後で「やっぱり下を撞こう」と変えると、キューの通り道がぶれる
確かめるには、撞いた後にキューを止めたまま、キューの先がどこを向いているかを見ます。構えたときの撞点の延長に向いていればよい状態です。上や下に大きく外れていたら、グリップの力を抜き、ひじから先だけを振るよう意識してみてください。握り方は「グリップの握り方と力加減」で説明しています。
原因3: タップの状態がよくない
撞き方に問題がなくても、タップが傷んでいるとミスキューは起こります。タップを見て、次の状態になっていないか確かめましょう。
| タップの状態 | 起こりやすいこと |
|---|---|
| 表面がつるつるに光っている | チョークがのりにくく、すぐ滑る |
| 先が平らにつぶれている | 中心から外れたところを撞くと、縁が当たって滑る |
| 側面がはみ出している・はがれかけている | 当たり方が安定せず、ミスキューしやすい |
| すり減って薄くなっている | 手玉をとらえる感覚が弱くなる |
タップは、上から見て軽く丸みを帯びた形が一般的です。お店で借りたキューのタップがこのような状態なら、別のキューに替えてみましょう。はがれかけているときは、スタッフに伝えると親切です。自分のキューのタップの手入れと交換時期は「タップの手入れと交換時期」で紹介しています。
チョークの跡で原因を確かめる
ミスキューの原因を見分けるのに便利なのが、チョークの跡です。
- 手玉の跡: 撞いた後の手玉には、タップが当たったところに小さくチョークの色が残ります。跡が思っていたより端に付いていれば、原因1か原因2です
- タップの跡: 撞いた直後のタップを見ると、チョークが取れて色が薄くなった部分があります。そこが手玉に当たった場所です。縁ばかりが当たっているなら、撞点が端に寄っているか、タップの形が平らになっています
跡を見る習慣をつけると、ミスキューをしたときに「何がいけなかったか」を毎回確かめられます。
ポイント
跡を確かめた後は、撞く前にもう一度チョークを付け直しましょう。チョークの付け方そのものに自信がないときは、まず縁まで均一に付いているかを見直してください。
ゲーム中にミスキューしたら
公式ルールでは、ミスキューをしたこと自体はファウル(反則)になりません。ただし、ミスキューの結果、手玉が的玉に当たらなかったり、手玉がポケットに落ちたりすれば、その内容に応じてファウルになります。どんなときにファウルになるかは「ファウルの種類と判定」をご覧ください。
ミスキューの後は、タップに傷が付いていないか、はがれていないかを一度見ておくと安心です。大きな音がして手玉が跳ねたときは、台のクロス(台に張られた布)にチョークの跡や傷が残っていないかも確かめましょう。
よくある質問
ミスキューが怖くて、中心しか撞けません。
最初はそれで大丈夫です。中心の近くを正確に撞けるようになると、上下に少しずつ撞点をずらしてもミスキューしにくくなります。撞点を外すのは、中心から少しずつ、と決めて練習しましょう。
強く撞くとミスキューが増えます。
強く撞こうとすると、グリップに力が入り、キューの先が上下に動きやすくなります。強さはグリップの力ではなく、キューを振る幅で出すようにしてみてください。