撞点とは
**撞点(どうてん)**とは、キューの先で手玉のどこを撞くかという位置のことです。手玉を自分の側から正面に見たときの円の上で考えます。
同じ方向へ同じ強さで撞いても、撞点が違うと手玉にかかる回転が変わります。その回転によって、的玉に当たった後に手玉が前へ進むのか、止まるのか、手前へ戻るのかが決まります。次に撞く玉のために手玉を良い位置へ運ぶことをポジショニングと言いますが、撞点はその一番の土台になる技術です。
基本の5つの撞点
撞点は、中心とその上下左右の5つから覚えます。図の番号は下の表と対応しています。
| 番号 | 撞点 | 手玉の回転 | 的玉に当たった後の手玉(まっすぐ当てたとき) |
|---|---|---|---|
| 1 | 中心 | 回転がほとんど無い | 距離が近ければその場で止まりやすい |
| 2 | 上 | 前へ転がる回転(順回転) | 的玉のあった方向へ進み続ける(押し球) |
| 3 | 下 | 手前へ戻る回転(逆回転) | 手前へ戻ってくる(引き球) |
| 4 | 左 | 横回転(左ひねり) | クッションに当たった後の跳ね返り方が変わる |
| 5 | 右 | 横回転(右ひねり) | クッションに当たった後の跳ね返り方が変わる |
中心
手玉のど真ん中を撞きます。すべての基本になる撞点で、手玉がまっすぐ転がるかどうかを確かめるのにも使います。的玉にまっすぐ(正面から)当てると、手玉はその場で止まりやすくなります。このように手玉を止める撞き方をストップショットと言います。
ただし、手玉は転がるうちに台との摩擦で自然に前へ転がる回転に変わっていきます。的玉までの距離が遠いと、中心を撞いても当たった後に少し前へ進みます。遠い距離で止めたいときは、中心より少し下を撞きます。
上
中心より上を撞くと、手玉に前へ転がる回転がかかります。的玉に当たった後も、その回転で手玉が前へ進み続けます。これを**押し球(フォロー)**と言います。くわしくは「押し球(フォロー)」で説明します。
下
中心より下を撞くと、手玉に手前へ戻る回転がかかります。的玉に当たった後、手玉が自分の方へ戻ってきます。これを**引き球(ドロー)**と言います。くわしくは「引き球(ドロー)」で説明します。
左右
中心より左や右を撞くと、手玉にコマのような横回転がかかります。この横回転をひねり(英語ではイングリッシュ)と呼びます。横回転は、手玉がクッションに当たった後の跳ね返る角度を変えるときに使います。
ひねりを使うと、撞いた瞬間に手玉が撞いた側と反対の方向へわずかにずれたり(右を撞くと少し左へ)、的玉の進む方向が少し変わったりします。狙いが外れる原因になりやすいので、初心者のうちは左右はひとまず置いておき、中心・上・下を先に身につけるのがおすすめです。
端を撞きすぎない
撞点を中心から大きく外すほど回転は強くかかりますが、外しすぎるとキューの先が手玉の上を滑ってしまいます。この失敗をミスキューと言います。カツッという音がして、手玉が思わぬ方向へ転がります。
撞いてよい範囲の目安は、中心から半径のおよそ半分までです。図の点線の円がその範囲で、図の×のように手玉の縁に近い位置は撞きません。手玉の直径は約5.7cmなので、中心からおよそ1.4cmまでが目安になります。強い回転をかけたいときも、撞点を端へずらすより、まっすぐ撞き抜くことを優先しましょう。
注意
ミスキューは、チョーク(キューの先に付ける滑り止め)が付いていないときにも起こりやすくなります。数回撞くごとにチョークを付ける習慣をつけましょう。ゲーム中のミスキューは、それだけではファウルになりませんが、手玉が他の玉に当たらないなどの結果によってはファウルになります。
撞点を正確に撞くコツ
撞点を決めても、実際にそこを撞けていないことはよくあります。次の点を意識してみてください。
- キューをなるべく水平に構える: キューの後ろを持ち上げると、下を撞いたつもりでも手玉が跳ねたり曲がったりします
- 撞点は構えたときに決める: 撞く直前に狙いを変えると、ストロークがぶれます
- ブリッジの高さで撞点を合わせる: 上を撞くときはブリッジ(キューを支える手の形)を少し高く、下を撞くときは低くします。手首で合わせようとしないことが大切です
ブリッジの作り方は「ブリッジ(手の形)の作り方」で紹介しています。
まずは中心から
最初は中心を正確に撞く練習から始めましょう。手玉をまっすぐ撞いて、まっすぐ転がることを確かめられれば、上と下を撞いたときの違いもはっきり感じられるようになります。中心・上・下の3つで手玉を止める・進める・戻すができるようになると、ナインボールなどのゲームがぐっと楽しくなります。