バンクショットとは
バンクショットとは、手玉で撞いた的玉を、クッション(台の縁のゴムの部分)に一度当ててからポケットへ入れる撞き方です。手玉のほうをクッションに当ててから的玉に当てる撞き方(キックショットと言います)とは別のものです。
的玉とポケットの間に他の玉があってまっすぐ狙えないときや、的玉がクッションの近くにあって直接は狙いにくいときに使います。直接狙うより難しいので、ふだんは直接狙える配置を優先し、バンクショットは「ほかに方法が無いとき」の選択肢と考えるとよいでしょう。
なお、狙う玉とポケットを宣言するコールショットのゲームでは、バンクショットで入れる場合も、どのポケットに入れるかを宣言します。
跳ね返りの目安は「入る角度=出る角度」
玉がクッションに当たると、入ってきた角度とほぼ同じ角度で跳ね返ります。クッションに直角に引いた線を基準にして、入ってくる側の角度を入射角、跳ね返る側の角度を反射角と呼びます。鏡に当たった光の反射と同じイメージです。
図では、手玉を2番に正面から当て、2番を手前の長いクッションへ斜めに送っています。2番はクッションに当たって、入ってきたのとほぼ同じ角度で跳ね返り、向こう側のサイドポケットへ向かいます。
この「入る角度=出る角度」は、あくまで目安です。実際の玉は、後で説明するように強さや回転で跳ね返りが変わります。それでも最初の狙いを決める基準として、とても役に立ちます。
台を折り返して狙いを決める
入射角と反射角が等しいとき、狙う場所は次のように見つけられます。
- 当てたいクッションを鏡と考え、ポケットをクッションの向こう側へ折り返した位置を思い浮かべる
- 的玉から、その折り返したポケットへまっすぐ線を引く
- その線がクッションと交わる点が、的玉を当てる場所になる
図でいえば、向こう側のサイドポケットを手前のクッションの外へ折り返した点に向かって、2番をまっすぐ送るイメージです。折り返した点は台の外にあるので、実際には「クッションのどのあたりに当てるか」を目で見て決めます。
もう1つの見つけ方は、的玉とポケットがクッションから同じくらい離れているときは、その真ん中あたりのクッションに当てるというものです。距離が違うときは、クッションに近いほう(的玉かポケットか)に寄せて当てます。台の縁にあるダイヤモンド(目印の点)を、当てる場所の目安にするとよいでしょう。ダイヤモンドの位置は「ビリヤード台の各部の名前」で確かめられます。
目安どおりにいかない理由
実際に撞いてみると、目安の点に当てたのに外れることがよくあります。主な理由は次の3つです。
| 原因 | 跳ね返りの変化 | 対処 |
|---|---|---|
| 強さ | 強く撞くとクッションに深く沈み、跳ね返りの角度が目安より小さく(クッションに直角な向きに近く)なりやすい | 最初は中くらいまでの強さで撞く |
| 的玉の回転 | 的玉に横回転がつくと、クッションの後で向きが変わる | 的玉にはまっすぐ当てる配置から練習する |
| 当てる厚み | 的玉に斜めに当てると、的玉にわずかな回転がつき、跳ね返りが変わる | 狙いの厚みを毎回同じにする |
的玉に斜めに当てるバンクショットでは、的玉の進む向きを正確に決めること自体も難しくなります。厚み(手玉が的玉にどのくらい重なって当たるか)の見え方と練習は「球の見え方と厚みの練習」で紹介しています。
手玉にかけた横回転(ひねり)でクッションの後の向きを変える技術は「ひねり(イングリッシュ)の基本」で説明しています。ひねりは手玉に使う技術で、バンクショットで的玉の跳ね返りを調整するのに使うのは、初心者のうちはおすすめしません。
注意
的玉をクッションへほぼまっすぐ撞く配置では、跳ね返ってきた的玉が手玉にぶつかることがあります。これをキスと言い、的玉はポケットから外れてしまいます。引き球で手玉を下げる、少し角度のある配置を選ぶなどして、的玉の帰り道から手玉をどかしておきましょう。キスについては「キスとは?避け方」でくわしく説明しています。
バンクショットの練習方法
- 的玉を長いクッションから20cmほど離して置き、向こう側のサイドポケットを狙うバンクショットの配置を作ります。手玉は、的玉に正面から当てられる位置に置きます
- 目安の点に向けて中くらいの強さで撞き、的玉がポケットのどちら側に外れたかを見ます
- 外れ方に合わせて当てる点を少しずつずらし、入る点を探します
- 入る点が見つかったら、強さだけを変えて、跳ね返りがどう変わるかを確かめます
同じ配置を何度も撞いて、「目安からどちらへどれだけずらすと入るか」を体で覚えていくのが、バンクショットの上達の近道です。