ファウルとは
ファウルは、ルールで禁じられている撞き方や動作のことです。ファウルをすると、玉が入っていても自分の番は終わり、相手に有利な形で番が回ります。
ここでは、WPA 世界統一ルール(世界プール・ビリヤード協会が定める公式ルール。以降 WPA ルール)のうち、ナインボールとエイトボールに共通するファウルを中心に紹介します。
WPA ルールでは、ファウルは次の1打が始まる前に指摘しなければなりません。指摘されないまま次の1打が撞かれると、ファウルは無かったものとして扱われます。また、1回の1打で複数のファウルが起きたときは、最も重いもの1つだけが適用されます。
玉の動きで判定するファウル
手玉のスクラッチ
手玉がポケットに入ることをスクラッチと言い、ファウルです。手玉が台の外に飛び出した場合もファウルになります。
最初に当てる玉の誤り
ゲームによって、手玉を最初に当てなければならない玉が決まっています。ナインボールなら、そのとき台にある一番小さい番号の玉。エイトボールなら、組が決まった後は自分の組の玉(自分の組を落とし終えたら8番)です。それ以外の玉に最初に当たるとファウルです。手玉がどの玉にも当たらなかった場合もファウルになります。
正しい玉とそれ以外の玉にほぼ同時に当たり、どちらが先か見分けられないときは、正しい玉に先に当たったものとして扱います。
ノークッション
玉が1つも入らなかったときは、手玉が的玉に当たった後に、手玉か的玉のどれか1つ以上がクッションに届かなければなりません。どの玉も届かなかった場合はノークッションのファウルです。
当たる前に手玉がクッションに触れていても、当たった後に届いた玉が無ければファウルになる点に注意しましょう。また、最初からクッションにくっついている玉は、一度離れて戻ってこない限り「届いた」とは数えません。
的玉を台の外に飛び出させる
的玉が台の外に飛び出すとファウルです。レールの上に乗っても、台の上に戻ってくるかポケットに入ればファウルではありません。照明や人に当たって台に戻ってきた場合は、飛び出したものとして扱います。
飛び出した玉を戻すかどうかはゲームで違います。ナインボールでは9番だけをフットスポットに戻し、ほかの玉は戻しません。エイトボールでは、ブレイク以外で8番を飛び出させると負けになります。
撞き方や体の動きによるファウル
両足が床から離れる
手玉を撞く瞬間に、少なくとも片足が床に着いていなければなりません。遠くの玉を撞こうとして台に乗り出し、両足が浮いた状態で撞くとファウルです。
二度撞き・押し撞き
1回の1打で、キューが手玉に2回以上当たると二度撞きのファウルです。手玉と的玉が近いとき、手玉が的玉に当たった瞬間にまだキューの先が手玉に触れていた場合もファウルになります。
また、ふつうの1打より長くキューの先を手玉に押し付けたまま運ぶように撞くことを押し撞きと言い、これもファウルです。
なお、手玉と的玉がくっついているときは、その的玉に向かって撞いてもかまいません(その的玉が当ててよい玉である場合)。
玉に触れる
撞いた手玉が的玉に当たるなど、ふつうの1打の中で起きる接触以外で、玉に触れたり動かしたりするとファウルです。手や体だけでなく、服・髪・チョーク・ブリッジ(キューを支える道具)が触れた場合も含まれます。
手玉を台に置いてよいとき(後で説明するフリーボールのとき)は、手やキューで手玉を動かしてもかまいません。ただし、キューを前に突き出す動きで手玉を動かすと、撞いたものとみなされます。
玉が動いているうちに撞く
台の上の玉がまだ転がっている、または回転しているうちに撞くとファウルです。
注意
袖や服のすそが玉に触れるファウルは、初心者に多いものです。台に身を乗り出すときは、体の下にある玉に気をつけましょう。また、ジャンプショット(手玉を浮かせて玉を越える撞き方)は、台のラシャ(布)を傷めることがあるため、禁止しているお店もあります。
ファウルの後はフリーボール
WPA ルールのナインボールとエイトボールでは、ファウルをすると相手の番になり、相手は手玉を台の上の好きな場所に置いて撞けます。これをフリーボール(英語ではボールインハンド)と言います。置いた後も、撞くまでは手やキューで位置を直せます。
ただし、エイトボールのブレイクでのファウルの後は、手玉を置けるのはヘッドストリングの手前だけです(「ブレイクショットのルール」)。
ナインボールでは、同じゲームの中で正しい1打をはさまずに3回続けてファウルをすると、そのゲームの負けになります(3ファウル)。エイトボールにはこの決まりはありません。
お店や仲間内のルールとの違い
仲間内で気軽に遊ぶときは、3ファウルを取らない、服が玉に軽く触れた程度は取らないなど、ファウルをゆるく扱うこともあります。逆に、きちんと練習したい人どうしなら WPA ルールどおりに遊ぶと上達につながります。どこまでをファウルにするかは、遊ぶ前に相手と決めておきましょう。各ゲームの決まりは「ナインボールのルール」「エイトボールのルール」もご覧ください。