レストとは・どんなときに使う?
レストは、長い柄の先に、キューを乗せる支え(ヘッド)が付いた道具です。正式にはメカニカルブリッジと言い、手で作るブリッジ(キューを支える手の形)の代わりをします。多くのビリヤード場では、台の下のフックや壁際に置いてあります。
手玉が台の中央付近にあって手が届かないとき、多くの初心者は台に身を乗り出したり、片足を上げて体を伸ばしたりします。しかし、無理な体勢ではブリッジが安定せず、キューもまっすぐ出ません。こうした場面では、レストを使ったほうが正確に撞けることがほとんどです。
WPA(世界プール・ビリヤード協会)が定める世界統一ルール(以降 WPA ルール)でも、レストの使用ははっきり認められています。上級者も大会で当たり前に使う道具なので、遠慮はいりません。
ポイント
WPA ルールでは、手玉を撞く瞬間に両足が床から離れているとファウルになります。片足でも床に着いていれば問題ありませんが、つま先立ちで体を伸ばすくらいなら、レストに持ち替えましょう。
レストを使う前に、まず手のブリッジを長めにとったり、体の向きを変えたりして届かないかを考えるのも大切です。それでも届かない、または体勢が苦しいときがレストの出番です。
ヘッドの種類と高さ
レストのヘッドにはいくつか形があり、置いている種類は店によって違います。よく見かけるのは次の2つです。
| 種類 | 形 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 一般的なヘッド | X字や山形で、高さの違う溝が複数ある | ふつうの遠い球 |
| 背の高いヘッド | 脚が長く、キューを高い位置で支える | 手玉の手前(キュー側)に別の玉があり、またいで撞きたいとき |
一般的なヘッドは、向きを変えたり裏返したりすると、キューを乗せる溝の高さが変わります。手玉の上のほうを撞くなら高い溝、真ん中から下を撞くなら低い溝、のように撞点(手玉のどこを撞くか)に合わせて選びます。撞点の考え方は「撞点(どこを撞くか)の基本」をご覧ください。
レストの置き方
- 手玉から20cmほど後ろに、ヘッドを台のクロス(台に張られた布)の上へそっと置く
- ヘッドの溝が、撞きたい方向の線の上にまっすぐ来るように向きを合わせる
- 柄の後ろのほうを、キューを持たない手で上から台に押さえつける
- キューを溝に乗せ、キューの先が撞きたい撞点を向いているか確かめる
柄を押さえる手が浮いていると、撞いたときにヘッドが動いてしまいます。柄の端を台の縁やクロスの上にしっかり押し付け、レストが動かない状態を作りましょう。
ヘッドを手玉に近づけすぎるとキューを振る幅がとれず、遠すぎるとキューの先がぶれやすくなります。20cmはあくまで目安なので、撞く強さに合わせて調整します。
キューの持ち方と撞き方
レストを使うときは、ふだんとはキューの持ち方も、体の使い方も変わります。
- 立ち位置: キューの真後ろではなく、少し横に立ち、上体を起こし気味にします
- 持ち方: キューの後ろの端(バット)を、親指を下、人差し指と中指を上にして、ペンやダーツをつまむように持ちます
- ひじ: ひじを横に張って肩に近い高さまで上げ、前腕(ひじから手首まで)がキューと一直線になるようにします
- 撞き方: ひじから先だけを、キューの線に沿って水平に前後させます。肩や体は動かしません
ふだんの撞き方は、ひじから下を振り子のように縦に振ります。レストでは、それを横に寝かせて押し出すイメージです。キューの線を目で追えるよう、顔はできるだけキューの後ろ側に置きます。
レストを使った1打は、ふだんよりキューがぶれやすくなります。強い球は避け、小さく、ゆっくり撞くことを心がけましょう。手玉を大きく引いたり、強く押したりするような難しい球は、慣れるまで避けるのが無難です。
使い終わりと注意点
撞き終わったら、ヘッドをまっすぐ上に持ち上げて外します。台の上を引きずると、近くの玉に当たったり、クロスを傷めたりします。
注意
レストが台の上の玉に触れたり、玉を動かしたりするとファウルになります。WPA ルールでは、撞く人が使っている道具(レスト・チョーク・服など)が玉に触れることも本人の責任とされています。置くときも外すときも、周りの玉との距離を確かめましょう。
使い終わったレストは、台の上やレールに置かず、決まった場所に戻します。台の上に置いたままにすると、転がっている玉に当たったり、次の人のじゃまになったりします。
よくある質問
レストを2本使ってもいいですか?
WPA ルールでは、2本まで使えます。2本目は、1本目のヘッドの上に乗せて使う決まりです。手玉の手前(キュー側)に別の玉があって、またぐために高さが必要なときなどに使われます。
手玉がクッションの近くにあるときもレストを使いますか?
手が届くなら、レールの上に手を置いて作るブリッジのほうが安定します。体勢が苦しい場面の構え方は「レールブリッジ・難しい体勢での構え」で紹介しています。